阪神支局事件 危うい「反日」の氾濫

Last-modified: Sat, 15 Jun 2019 00:01:43 JST (1780d)
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(2019.5.2)
 兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が散弾銃を持った男に襲われ、記者2人が殺傷された事件から、あすで32年になるそうだ。 自分の気に入らない考えを持つからと言って、殺傷にまで至るというのは許されるものではないし、まして、散弾銃を使用するなどもってのほかだ。
 このときに、加害者が主張したかった「反日」の意味は知らないが、この機会に「反日」について考えてみる。

 「反日」とは、日本を貶める意志、あるいは行為だと思うが、これには二つの側面がある。 一つは、日本を滅亡させたり、日本人を不幸にさせたりする場合で、日本から自衛権を放棄させて、いつでも外国から攻められるような状況に仕向けることなどがある。 もう一つは、日本や日本人が消滅する方向に進めようとする場合で、天皇陛下を国民の象徴から引きずり下ろそうとすることなどがある。

 前者の場合、近視眼的な視野で日本を見ているために、結果として、日本を滅亡させる方向に進めてしまうということが、本人には理解できないということなどがある。 後者の場合も、ナショナリズムよりもグローバリズムの方が良いという考えが、結果として、日本や日本人が消滅する方向に進めてしまうということが、本人には理解できないことなどがある。

 外国で「反日」という場合は、本人に明確に「反日」の自覚がある場合が一般的だと思うが、日本人が「反日」と言われた場合、言われた本人に「反日」の自覚がないのが一般的であり、ここに深い日本の問題がある。

朝日新聞 社説:「阪神支局事件 危うい「反日」の氾濫