障害者雇用 信頼裏切る水増し疑惑

Last-modified: Tue, 22 Jan 2019 18:07:39 JST (1938d)
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(2018.8.23)
 複数の省庁や地方自治体で厚生労働省の指針に定められた障害者以外の人も算入して、法律で義務づけられた障害者の雇用割合を過大に「水増し」していた可能性があるという。 全容を解明し再発防止策も講じなければならないというが、全容解明を含まない再発防止策では、遵守の確認のない仕組みということであり、再発防止策にはならない。

 再発防止は、少なくとも民間企業以上のチェック体制を厚労省を含む全ての対象に広げればよいことであり、その気になれば人手の問題は別としてそれほど難しいことではない。 民間企業と公務員組織との違いは違反したときの罰則内容にあり、ここで公務員を甘くする可能性は残る。

 優秀な人材の獲得にはその企業の存亡がかかっており、各企業の重要課題となっており、特に大企業は組織を挙げて企業努力をしてきており、障害者雇用についても例外ではない。 そのため、絶対量の少ない障害者雇用の世界では、企業間格差は一般人材の雇用の比ではない。 厚労省は数値設定をするだけだが、雇用にそれほど力を注げない弱小企業にとっては非常に重い負担となる。 厚労省は、厳しいチェック体制の構築だけでなく、文科省など他省庁と連携して、企業が受け入れやすい障害者の育成・雇用環境や働きやすい環境を並行して構築してほしい。

朝日新聞 社説:「障害者雇用 信頼裏切る水増し疑惑