香港の条例改正 「撤回」で不信は拭えぬ

Last-modified: Sat, 07 Sep 2019 23:18:03 JST (1695d)
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(2019.9.6)
 香港の林鄭行政長官が、市民の抗議運動の発端となった「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を、デモが本格化してから3カ月近く経ってから、表明したそうだ。 香港で「一国二制度」が保障されればそれで良いというものではなく、「自由が保障」されなければ意味がない。 そのためには、「逃亡犯条例」改正案の撤回だけでなく、デモ隊が掲げている五大要求が通ることが当然必要だ。

 今回の改正案の正式撤回が遅れた原因は、林鄭氏に問題があるかどうかは別として、林鄭氏が親中派として選挙で選出されていることにあると思う。 香港が自由を取り戻したと言えるためには、2017年に改正された普通選挙制度を少なくとも原点回帰させ、民主的な選挙制度に戻す必要がある。 香港に進出している日本企業のためにも、政治家が先頭に立って、日本人は香港の後方支援をしていかなければならないようだ。

 ただ、今回の過激なデモは、香港市民のどの程度の割合の方々だったのかは分からないが、そこまでの過激な破壊活動などが必要だったのかということには疑問が残るし、デモの暴動認定を取り消し、警察の暴力行為を調査しろというのは、傍から見ていてアンフェアな気がするのだが。

朝日新聞 社説:「香港の条例改正 「撤回」で不信は拭えぬ