10%まで1年 消費増税の先を論じよ

Last-modified: Mon, 08 Oct 2018 22:30:59 JST (2045d)
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 本当に消費増税するかどうかは安倍首相の決断次第だが、1年後のきょう、消費税の税率が10%に上がることが、法律で定められている。 安倍首相は、消費増税を延期するとか、使い道を変えるとして、3度も選挙に利用してきたので、3度目の延期はないとも思われるが、来年の参院選などでは何をしてくるか分からないのも事実だ。 前回8%に上げた後の景気回復が予想以上に遅れたが、10%になれば、更に遅れることは容易に予想できる。

 消費税率を10%にしたからといって、支え手が減り高齢者が増える時代の社会保障の財源不足を補うにはほど遠いそうなのに、一部、軽減税率を適用したり、幼児教育や保育の無償化にも使おうというのだから、今後の社会保障をまじめに考えているとは思えず、安倍政権が去ったあとは、東京オリンピックの影響もあり、消費増税などによる景気後退だけが遺るような気がする。

 国民や企業の将来不安はますます増大し、これがまた景気回復を遅らせるという悪循環が続いていく。 安倍政権が遺したものは、国民は時の政権をあてにせず、自らで生きていかなければならないということかもしれない。

朝日新聞 社説:「10%まで1年 消費増税の先を論じよ