ふるさと納税 返礼品なくしてみては

Last-modified: Sat, 23 Feb 2019 22:59:18 JST (1907d)
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(2019.2.21)
 ふるさと納税では、ある自治体に寄付をすると、国に納める所得税と自分が住む自治体への住民税が軽くなることにより、上限はあるが、実質負担額以上の牛肉やコメなどが寄付先自治体から手に入ったりする。 総務省は「応援する納税者の気持ちを橋渡しする仕組み」と位置づけているが、アマゾンギフト券をお礼に入れたら寄付金額が前年度の約9倍に増えたり、原発事故で被災した後の農家の特別栽培米をお礼にしていた某自治体が寄付額の返礼率を5割超から3割にしたら寄付件数が20分の1に減ったそうで、多くの自治体への寄付は「返礼品が得と感じられるかどうか」に左右されているのが実態のようだ。

 安倍首相は「制度が健全に発展するよう、一定のルールのなかで切磋琢磨できる環境を整えたい」と述べたそうで、「一定のルールでの切磋琢磨」とは何を意味するのか分からないが、あまりにも無責任なコメントではないだろうか。 何かをしてもらったらお礼をすること自体は良い習慣だが、本来、寄付によって得られるものは、自己満足や名誉であり、例外としては、プレミアムが付きそうな記念品を贈るぐらいであり、寄付を受けた側の負担経費がそれほど掛からないことが前提だ。

 ふるさと納税の特徴は、納税者側が納税先を選択できることにあるが、国全体の納税額を減らしてまで、自らへの寄付額を増やそうとする自治体の信じられない身勝手さは看過できず、このようなことを10年も放置しておきながら、消費増税をするという政府の神経も理解できない。 アマゾンギフト券をお礼に出すということであれば、日本の税金を海外に放出させる売国行為だ。 高額の返礼品を出している身勝手な自治体に対しては、国としては、財務上余裕のある自治体と解釈して対応していくしかないのだろうか。
 本来、自治体の返礼品は寄付額の1割も要らない。
(ふるさと納税 課題は返礼品以外にも(2018.9.17))

朝日新聞 社説:「ふるさと納税 返礼品なくしてみては