北朝鮮問題 平穏維持して非核化を

Last-modified: Sat, 08 Dec 2018 23:23:37 JST (1983d)
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(2018.12.2)
 北朝鮮が大陸間弾道ミサイルを最後に打ち上げてから1年がたち、核実験の動きもなく、軍事挑発は止まっているが、この間に北朝鮮は、米国との関係改善と、国内経済の再建をめざす方針を示してきているとは言え、進展は大きいとは言えず、その真意も見えず、大量破壊兵器の開発に国際社会は厳重な警告を長年発してきた経緯もあり、この1年の停止で北朝鮮の姿勢を評価するのは早計で、未だに開発済みの装備や施設、技術が明かされていないままだ。 北朝鮮は非核化への行動として、まず核の情報公開と廃棄の工程表をつくる必要がある。

 米韓首脳は、非核化が達成されるまで制裁を続けるのが重要との認識で一致したそうだが、北朝鮮が非核化を速やかに行うかどうかのカギは、各国が歩調を合わせて北朝鮮への徹底した制裁の継続だ。 北朝鮮の課題は非核化だけではなく、人権の弾圧もあり、民主化というか、脱共産主義化がもう一つの課題としてあり、これを快く思わない国が北朝鮮への制裁を緩和してくる懸念がある。 もう一つの懸念は、統一後に核を朝鮮半島に遺しておいた方が得策だと考えるかもしれない国があるということだ。

 これらの国や極東情勢にそれほど関心がない国々が、北朝鮮への徹底制裁に必ずしも協力しない可能性があることが懸念されるので、日本は米国とともに、経済制裁が確実に行われることを監視する必要がある。 世界各国が一様に歩調を合わせるというのは、それほど簡単なことではないので、楽観視は禁物だ。
(初の米朝首脳会談 非核化への重大な責任(2018.6.13))

朝日新聞 社説:「北朝鮮問題 平穏維持して非核化を