大阪ダブル選 住民不在の党利党略だ

Last-modified: Mon, 11 Mar 2019 22:26:20 JST (1891d)
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(2019.3.9)
 大阪維新の会代表の松井大阪府知事と政調会長の吉村大阪市長が、そろって任期途中で辞職し、2人が立場を入れ替えて立候補し、再選を目指すという、異例の選挙が行われることになったようだ。 首長選と同日となる見込みの大阪府議選と市議選にのぞむ党の仲間を後押しする狙いの党利党略だそうだ。

 背景には、公明党との連携協議の決裂もあったようだが、大阪維新の看板政策である、大阪市を廃止して東京23区のような特別区に再編し、府と市の「二重行政」の解消を行おうとする「大阪都構想」が選挙の焦点だ。

 「都構想」は、2015年の橋下大阪市長時代に一度住民投票で否決されているが、松井・吉村両氏が住民投票で再び問おうとしているようだ。 入れ替えを行わない単なるダブル辞職・選挙であれば、明らかに公費の無駄遣いだが、入れ替えであれば、どうせ年末に行われる予定の選挙を若干早めに「四重選挙」を行おうというものなので、必ずしも無駄遣いとは言えない。

 今回の選挙は従来の選挙とは違い、「大阪維新が提唱する『大阪都構想』は、そこまでして実施しなければならない政策なのか」について、府民・市民は冷静に考えて投票する必要があるし、大阪維新は、都構想の必要性を丁寧に説明していくことが求められ、公明党は、政党姿勢が問われる選挙になるかもしれない。
(大阪ダブル選? そうかいな、といかぬ(2018.12.29))

 「都構想」という表現は、大阪でも都の機能を一部担いたいというように取られる可能性もあるので、大阪府の業務効率やサービスレベルを上げるための組織改革であるということを的確に表現されたキャッチフレーズに変更した方が良いのではと思ったりする。

朝日新聞 社説:「大阪ダブル選 住民不在の党利党略だ