安倍新体制 信頼回復には程遠い

Last-modified: Mon, 08 Oct 2018 22:24:07 JST (2045d)
Top > 安倍新体制 信頼回復には程遠い

 安倍首相がきのう、内閣改造と自民党役員人事を行ったが、安倍内閣では最多の12人を初入閣させ、大半は各派閥が推す「入閣待機組」だそうで、総裁選で善戦した石破茂・元幹事長の派閥からも1人起用しているが、女性閣僚は1人だった。

 総理大臣が、リーダーシップを発揮して組閣すれば、人の意見を聞かないワンマン宰相だと言われ、派閥の意見を取り入れれば派閥均衡人事と言われ、何をしても批判される内閣改造だが、今回の安倍内閣は、どちらかと言えば派閥均衡人事のようだが、安倍総理が、党内統率力が弱くなっているとの自覚の表れであり、女性閣僚が一人だったのは前回立て続けに発生した女性閣僚不祥事のリスク回避策だと推察され、総じてリスク重視の安全運転内閣との印象を受け、長期政権が目的化している事なかれ政権の懸念が大きく、安倍政権の当初からの懸案政策がこれからも実現する可能性が低いと推察される。

 安倍政権下で、結局何も実現しないというのであれば、長期政権は罪悪でしかなかったということになりかねない。 何かの功績があって、その信任を受けて次期政権も任せられるというのが一般的だが、安倍政権の場合は、何の功績もなく、もう少しやらせてくれれば功績を出せると期待させ続けるだけの長期政権だったような気がするが、今回の人事ではそれも期待薄だ。 やる気のない政権は早々に退陣していただきたいが、といって任せられる政権も見当たらない。

朝日新聞 社説:「安倍新体制 信頼回復には程遠い