憲法論議 「上からの改憲」の無理

Last-modified: Mon, 14 Jan 2019 22:47:54 JST (1946d)
Top > 憲法論議 「上からの改憲」の無理
(2019.1.10)
 安倍首相は、先日のNHK番組で、2017年の憲法記念日に「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と語ったことに対し、「気持ちは全く変わりがありません」と述べ、憲法改正への意欲を改めて示したそうだ。

 憲法改正のような日本の根幹をなすようなものを期限を区切って国会で議論をしようとすることは如何なものかとは思うが、国に責任を持つ与党総裁がある程度のスケジュール感を持つことは当然のことであり、「憲法議論をしないのは国会議員の職場放棄」と言い放ったことの表現の良し悪しはあるとしても、それに反発して結局実質審議に応じない野党にも困ったもので、そのような野党には給与を返上していただきたいものだ。

 与党が、「改憲ありき」の議論をするのは当然のことであって、「完全護憲」の議論をすることは自己矛盾であり、「護憲か、改憲か、どうしましょうか」などと無責任な提案をされても困る。 与党はまず、職場放棄の野党の有無を気にせず、憲法を変えても現状と何ら変わらないなどと意味不明なことを言わず、毅然として自身が信ずる現行憲法の問題点や改善点などを提案し審議するなり、国民に説明するなりして欲しい。

 与党は、近隣諸国への過剰な遠慮もそうだが、わがまま野党に対して過剰な遠慮をそろそろ止めて、主張すべきは主張して、それで国民の信任を得られなければ潔く下野する覚悟を持つべきだ。
(憲法国民投票 合意形成の慣行崩すな(2018.7.1))

朝日新聞 社説:「憲法論議 「上からの改憲」の無理