日欧EPA 多国間協調を取り戻せ

Last-modified: Wed, 21 Aug 2019 18:45:32 JST (1727d)
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(2018.7.19)
 日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)に署名した。 いろんな国とEPAを結ぶなりして仲良くすることは良いことだが、単に協定を結べば良いというものではない。

 国内であれば自由貿易は当たり前だが、外国である限り完全自由貿易にはならないし、すべきでもない。
 EUは、あるときは個々の国として、あるときはEUとして振舞うコウモリのような相手であることを認識して交渉する必要がある。 EU各国と1対nで交渉するようなことになると、日本は多数決で負けることになるので、日本とEUは対等な交渉相手として、1対1で交渉すべきである。 EUとEPAを結ぶことは良いとしても、イギリスが離脱に苦戦しているEUに、日本がわざわざ仲間入りするようなことは絶対あってはならない。
 アメリカとの対抗上、EUとEPAを結ぶのであれば、方向が間違っている。 日本が経済連携の相手として最重要視しなければならないのは、米・英であり、欧・中ではない。 欧・中を敵視する必要はないが、ある程度、距離を置いて付き合うべき国々だ。
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東アジア地域包括的経済連携については、中国を排除する必要もないが、無理に中国を説得する必要はない。 中国との妥協点を見つけようとすることは、中国の我が儘を聞き入れることになるので、本来あるべき経済連携に対して、中国が賛同できれば入ればよいし、中国が賛同できければ離脱すればよいだけであって、中国の顔色を窺う必要はない。 中国の我が儘を一度通すと、以後、中国の言いなりになる可能性が大きいので、中国の我が儘が通るような経済連携であれば、日本が離脱するぐらいの覚悟で交渉に臨むべきである。
 世界からの孤立を恐れて、欧・中の傘下に入るようなことがあってはならない。

朝日新聞 社説:「日欧EPA 多国間協調を取り戻せ