日産企業統治 組織を整えるだけでは

Last-modified: Thu, 11 Apr 2019 22:07:44 JST (1859d)
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(2019.3.29)
 日産自動車(日産)の企業統治改善について提言がまとまったと、社外の有識者と日産の社外取締役からなるガバナンス改善特別委員会が発表したそうだ。 具体的な提言内容を見ていないが、ゴーン前会長への聴取も行わず、現経営陣の責任の有無に関する言及がなされてもいないそうなので、提言内容も推して知るべしだ。

 改善策の一つとして取締役の過半数を独立性のある社外取締役にすることがあるそうだが、社内取締役が見抜けないような不正を社外取締役なら見抜けるとは考えにくいので、今までの取締役が不正に気づきながらもその指摘を正せなかったとの認識による、是正策ということなのだろうか。 「司法取引」は、刑法に適用されるものであって、民法には適用されなくても良いのではないだろうかと考えてしまうのだが。

 日産の役員には、トヨタやホンダと比較して、親会社や欧米に従属しやすいというイメージがあり、それがゴーン氏によるV字回復の成功の背景や不正の長期化につながっているのではと考えている。 社外取締役が、ルノーはもちろん、その他の外国人であったり、経産省などからの天下りだったりすれば、ゴーン体制とそれほど代り映えしない体制が維持されることになる。
 今回の代表取締役の不正だけでなく、従来からの執行役員以下の不正問題もあるように思うが、日産および三菱自動車のガバナンスをこの機会に全社的に見直すことを勧める。
(「ゴーン事件」 日産は統治を立て直せ)

朝日新聞 社説:「日産企業統治 組織を整えるだけでは