災害列島に生きる 正しく恐れ、備えるために

Last-modified: Sat, 05 Jan 2019 22:19:03 JST (1956d)
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(2018.12.28)
 山地が広がり平地が少なく、海に囲まれ、川が多いなかでの日本の自然が、従来の常識からは想像できない態様・規模で頻繁に牙をむくなか、国土強靱化の名の下、インフラ整備に膨大な資源が投じられているが、それだけでは命を守りきれない。

■「異常」から「通常」へ
 「数十年に1度」「観測史上初」「経験したことがない」「最大級の」、そんな言葉が当たり前に使われており、異常が通常になりつつあることを受け入れ、そのうえでやれる防災対策を取るしかない。 地球温暖化対策などと、地球をコントロールしようなどと大胆なことを考える必要もない。

■地域の弱点の共有を
 地域住民は、自分たちの地域にどのような弱者が住んでおり、どのような災害リスクが潜んでいるかを認識し、日頃の防災訓練を実施するなど、地道な防災活動を行い、災害に対する脅威の認識を日頃から自覚しておく必要がある。

■先人の知恵に学ぶ
 霞堤など災害にあえて弱いところをつくり、民家を守ろうとする先人の知恵が、歴史とともに忘れられて安い土地として売買され、太陽光パネルの設置などの開発で災害を招いたり、民家の建築により不要な被害を発生させたりしている。 自治体は、先人の知恵を見直し、災害の脅威を認識して、災害リスクを高める土地利用に制限を掛けられるよう権限強化が必要だ。
(再生可能エネルギー 「主力化」へ挑戦の時だ(2018.8.26))

朝日新聞 社説:「災害列島に生きる 正しく恐れ、備えるために