統計不正検証 これでは納得できない

Last-modified: Thu, 28 Feb 2019 22:48:35 JST (1901d)
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(2019.2.28)
 毎月勤労統計の不正調査問題を検証した厚生労働省の特別監察委員会が、事実に反すると知りながら職員はうそをついていたが、意図的に隠そうとしたとまでは言えない、という追加報告書を発表したそうだ。

 もともと、監査能力がないか、監査する気がないかのいずれかの監査委員会の報告書をいちいちコメントするのもいかがなものかと思うが、事実を知りながら、嘘をついてなかったことにすることを隠蔽と言い、それが個人であれば、個人的隠蔽であり、そうでなければ組織的隠ぺいであり、どちらにも該当しないという評価はない。

 仮に、事の重大性の認識がなく、軽い気持ちで言わなかったので、隠蔽ではないと認識したいのであれば、その者たちは担当不適格者であり、新入社員とでもいうならまだ許されるかもしれないが、役職者であれば、それだけで公務員不適格者だ。 これが通らないとすれば、厚生労働省はそれだけで、組織全体が腐っているか、未だに組織的隠ぺいを計ろうとしているかのいずれかだ。

 確かに、今、厚生労働省全員が解雇になれば、国としても、政府としても、困ることは容易に想像され、政府の穏便に済まそうとする気持ちが分からなくもないが、この考えが、各省庁のレベルを落としてきた背景にあると考える。 これを機会に、至急各省庁の監査が必要であり、問題省庁の多くの管理職は、おそらく、猛省できるような初期レベルの症状ではなく、総入れ替えが必要な末期レベルの症状だろう。
(勤労統計不正 疑問に応える審議を(2019.2.19))

朝日新聞 社説:「統計不正検証 これでは納得できない