転機のNHK「公共」の議論、今こそ

Last-modified: Wed, 23 Jan 2019 20:10:58 JST (1938d)
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(2019.1.19)
 NHKの上田良一会長は年頭記者会見で、今年を大きな転機の年と位置づけたそうだが、放送中の番組をインターネットでも常時同時配信できるめどが立ち、放送法改正案が通常国会に提出される見通しになったのを受けた発言のようだ。 先ごろ発表された2019年度予算案が9年ぶりの赤字予算となったこともあるが、報道機関として政権との距離をいかに適切に保つかも課題としてある。

 受信料をいただいている公共放送局としては、政権と一定の距離を置いて、右寄りでもなく左寄りでもない、模範的な放送局を目指さなければいけないようだ。 政権と一定の距離を置くということは、政権が正しいと思っていても政権を支持してはいけないし、各放送局と比較して右や左に寄らないということは、常に各放送局の報道を見て中間地点を模索しながら報道しろということで、とても報道の自由や独自性が保たれているとは思えない。

 そもそも、政治的公平性という曖昧なものを求めるような法律があること自体がおかしく、各放送局はフェイクニュースはいけないが、自由に独自の報道が可能になるような法律であるべきだ。

 NHKという、半強制的な受信料を徴収するという中途半端な公共放送を廃止して、税金で賄う最低限の国営放送を一部残して、あとは民営化というか、一般の民営放送局と同様であるべきだ。
(自由な報道 民主主義の存立基盤だ)

朝日新聞 社説:「転機のNHK 「公共」の議論、今こそ