道交法改正 時代に応じて適切に

Last-modified: Sun, 29 Sep 2019 22:04:02 JST (1673d)
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(2019.9.21)
 あおり運転が社会問題になっているなか、悪質で危険な「あおり運転」に対処するため、警察庁が道路交通法の改正を検討し、来年の通常国会への法案提出をめざそうとしているそうだ。 現行法にあおり運転そのものの規定がないため、警察庁が「あらゆる法令」を駆使して取り締まりを行おうとしていることは理解できるが、問題点はそれほど単純ではないように思える。

 「あおり運転」そのものが、故意かそうでないか、どちらが先に行ったか、行った回数や時間なども関係することもあり、非常に定義しにくいということもあるが、「あおり運転」に伴って、相手の車両などの走行妨害や拘束などがあったり、車両や人間に危害を加えたりする一連の行為を犯罪として取り締まれるようにする必要がある。

 「あおり運転」事態は、一般に公道での運転走行中の犯罪だが、それに伴う悪質行為は、運転走行中でない場合や公道でない場合も多い。 ひとつの悪質行為ではなく、運転に起因する一連の行為を罰する法律が必要だ。 日本では、併合罪は一般的に重い方の罪が課され、個々の罪を超える重罪になることはないが、「あおり運転」を起因とする一連の行為は、それぞれ個々の犯罪行為より、はるかに危険な悪質な行為の場合があるので、併合罪の見直しもすべきだ。

 車両装備については、個人情報保護に注意するという課題はあるが、飛行機などと同様に、これからのすべての車両にドライブレコーダーの取り付け義務を課すことも検討すべきだ。
(あおり運転 悲劇繰り返さぬために(2018.12.16))

朝日新聞 社説:「道交法改正 時代に応じて適切に