IWC脱退 国際協調に影を落とす

Last-modified: Sat, 05 Jan 2019 22:15:53 JST (1955d)
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(2018.12.27)
 国際捕鯨委員会(IWC)は、鯨の保存(保護)とともに、捕鯨産業の秩序ある発展を目的としているにもかかわらず、資源量の多寡を無視して捕鯨を否定する反捕鯨国の主張は条約の趣旨から逸脱しており、日本政府はIWCからの脱退を決め、来年7月から日本の領海と排他的経済水域内で商業捕鯨を再開することにしたそうだ。

 過去30年にわたって商業捕鯨をやめてきた日本にとって、これ以上議論を続けたからといって商業捕鯨が再開できるとは思えず、商業捕鯨を再開するために脱退するのはうなずけるが、国際協調軽視と言われれば否定できない。

 国際協調軽視の批判を浴びてまで商業捕鯨にこだわる必要があるのかという論点があるが、日本は、理不尽とも思える隣国や世界の要求に対して、過去何度も自国の主張を曲げ要求を受け入れてきている。 この背景には、日本文化の特殊性や敗戦国としての弱みなどの背景もあるが、毅然とした自国の論理的主張やロビイスト活動の弱さが考えられる。

 その他に、中国の行っている世界への突飛な主張のゴリ押しを見るにつけ、日本に足りないと感じるのは国力だ。 日本が、自分たちの文化や考えを押し広めるためには、軍事力もあった方がよいが、せめて経済力だけでも米国並みに力をつけることが必要だ。
 経済力のない小さな島国日本には、世界での発言力や存在価値はない。
(IWCと日本 脱退は短慮に過ぎる(2018.12.23))

朝日新聞 社説:「IWC脱退 国際協調に影を落とす