パワハラ防止 実効性ある取り組みを
報告書では、パワハラを、優越的な関係に基づき、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で、身体的・精神的苦痛を与えること、と定義しているそうだ。 ここで、肉体的暴力の記述がないのは、肉体的暴力はパワハラ以前の行為であり、肉体的暴力行為そのものが許される行為だというわけではなく、肉体的暴力行為は既存の法律で既に罰せられるからだと思われる。
パワハラ行為そのものを法律で罰するためには、パワハラ行為をある程度明確に規定する必要があるが、現時点でこれを規定することは難しく、下手に規定するとそれに達しない行為を許可することになるリスクがあるので、断念したものと推察する。
パワハラ防止措置法が制定されると、上司はパワハラへの防止措置に恐れて、部下への命令や指導ができなくなる恐れがあるので、「業務上必要かつ相当な範囲」の考え方を示し、どのような行為がパワハラに該当するのかの具体的でわかりやすい指針を示す必要がある。
パワハラ防止措置法が事業主のみを対象としているが、これは厚生労働省が主管となっているからだろうが、例によって、公務員は例外扱いなのだろうか。 組織があるところには、すべてパワハラがあるリスクは存在しているが、すべての組織が対象だと言われても、小さな組織にまでは難しいと思うが、それなりに大きなすべての組織、学校や公的な協会などはすべて対象とすべきだ。
肉体的暴力行為があっても警察に通報もされないような学校や協会が既に問題となっており、これらの背景にはパワハラが存在することは多くの良識ある方が認識しているはずだ。
つまらない省庁間の垣根があるのであれば、早々に取り除いて欲しい。
(スポーツと暴力 今度こそ根絶をめざせ(2018.11.11))
(自殺調査メモ 隠蔽の罪深さ自覚せよ(2018.6.18))
朝日新聞 社説:「パワハラ防止 実効性ある取り組みを」